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同マンションは構造体を意味するスケルトンと間取り・内装を技術的に分離し、前者は百年以上の耐久性を、後者は生活様式の変化に応じた可変性を重視して設計されているのが特徴だ。スケルトン構造は建築費がかかるため、定期借地権を用いて住宅価格を下げる仕組みになっている。
入居者は定期借地権契約で地主から土地を借り、耐久性の高いマンションを建設、毎月建設費のローンと地代を払う。三十年後に建物の権利は地主に受け継がれ、以降賃貸マンションとなるが、地主に譲渡した建物の代金と家賃の一部を相殺する契約が適用されるので、その後の三十年は地代程度の家賃で住み続けることが可能。六十一年目からは普通の賃貸となる。土地を持たず、マンションの所有権も期限付きとなるが、入居者にとっては分譲マンションと比べて低価格で良質な住宅に住めるようになる。地主にとっては元手がなくてもマンション経営ができるとともに空き部屋が出る心配もなく、土地が確実に返却されるなど双方にメリットがあるとされる。尼崎市南塚口町で建設中の「塚口コーポラティブハウス」は敷地面積六百四十平方bの六階建てで、十一戸が入居する計画だ。地主の増田裕弘さん(七〇)は、阪神大震災で被災した文化住宅の建て替えに同マンションを選んだ。増田さんは「空き部屋のリスクはないし、建設にも元手が掛からない」と話し、一階では息子が整形外科を開業する予定でもあると言う。
尼崎市内の一戸建てに夫婦で住む福原千恵子さん(六四)は六階に入居する予定。家を売却し、八十八平方b、約三千三百万円の同マンションを購入する計画だ。同条件で分譲マンションを買えば「四千万円台後半になる」(コーディネーターの「キューブ」)そうだ。福原さんは「年を取るとワンフロアのほうが住みやすいし、自由設計と日当たりの良さが気に入りました。六十年は安心して住めるので所有にはこだわりません」と満足そうだ。
キューブの天宅毅・代表取締役は「安く、自由設計できるのに加え、良質な管理状況も維持できるのが魅力。入居者には阪神大震災後に建て替えなどのマンション問題に遭遇した人が多い」と話す。入居者の平均毎月支払額は当初三十年は十数万円、次の三十年は四万円程度になるという。
現在関東で四棟が完成したほか、関西では尼崎市に加え数件着工が見込まれている。土地代が価格に直接響かないため地価の高い都市部でより有効だ。仕組みが分かりづらく、時間と手間が掛かるのが普及のネックになっているともいえるが、住宅金融公庫大阪支店の竹井隆人まちづくり推進調査役は「時代のニーズに合っており、認知度を高め、事業支援を行っていきたい」と話している。
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